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店長の独り言

寿司屋と経営理論

「ありがとうございます」と言っていれば、上手くいくのか?
 10年以上前、寿司組合の年次総会でのこと。
ある目上の店主の方から
「最近、2代目が集まって何をしているのか?」と質問を受けた。
「損益分岐とか財務管理とか経営の数字の勉強をしている」と答えると、
「最近の若いやつは数字ばっかりだ。そんなことより『ありがとうございます』と言ってりゃいんだ」とおっしゃった。
「いえ、挨拶やお礼をないがしろにしているのではなく、同じくらい経営の理屈も大事だと言っているのです」と答えると、
「なんだと、これだからだめなんだ。若い奴は」とよくあるご回答でした。
言い合いをしても無駄なので、黙っていたが、
「だから、寿司屋のがんこ親父はダメなんだ。あなた方の息子さんたちが希望を持ってこの職種を継がないのは、そういう理由だということを早く気付けよ」と心の中でつぶやいた。
駄菓子屋だろうと大企業であろうと、基本的な経営理論は必要だ。
売上がいくらあって、支出がどれだけあって、結果、どれだけの利益が出るのか。その利益から税金を払って借金を返して、、、、そうやって事業が成り立つ。
ドンブリ勘定ではなく、きっちり数字を管理すれば、つぶれずに済む寿司屋はたくさんあるのに。
残念ならが、このお店は息子さんが頑張っていたのに、、、廃業されました。