私は訳あって、調理師となったが、ひょっとして医者になっていたかもしれない。
と、かっこいい事を言ってみたが、まず、
それは無い。
ただ、魚をさばくのは、ちょっと見方を変えると、
解剖
と言える。
要は観察用にするか、食材用にするかのちがいだ。
両方とも、骨の位置や内臓の位置を知っていないと上手にできない。
魚は魚類、人間は哺乳類でまったく異なる生き物のように思えるが、
基本的な構造は同じだ。
頭があって、
そこにつながる背骨があり、
内臓を守る肋骨(腹骨)がある。
その位置と特徴を理解しておけば、
包丁を走らせるラインは必然的に決まってくる。
あとは、包丁から伝わる振動を感じながら
刃先の場所をイメージして、
力を入れず、
包丁全体を使い、
なでるように
切れば、美しく魚をおろすことができる。
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